TALK SESSION NPO法人CANVAS 理事長 石戸奈々子さん X 脳科学者 中野信子さん TALK SESSION NPO法人CANVAS 理事長 石戸奈々子さん X 脳科学者 中野信子さん

子どものデジタル教育、
プログラミング学習の現状と
“教える側”に求められる覚悟とは

脳科学の研究を行っている医学博士の中野信子さんと、「CANVAS」を2002年に設立し、その理事長として子どもたちの創造力を育む学びの場をワークショップなどの形で提供している石戸奈々子さん。
同じ東京大学工学部出身というお二人に、子どものデジタル教育とプログラミング学習について、
脳科学的な見地や現場の経験から議論していただきました。

NPO法人CANVAS 理事長 石戸奈々子さん
東京大学工学部卒業後、マサチューセッツ工科大学メディアラボ客員研究員を経て、子ども向け創造・表現活動を推進するNPO「CANVAS」を設立。これまでに開催したワークショップは 3000回、約35万人の子どもたちが参加。
脳科学者 中野信子さん
1975年、東京都生まれ。東京大学工学部を卒業し、東京大学大学院医学系研究科で医学博士号取得。フランス国立研究所で研究員として勤務。横浜市立大学客員准教授、東日本国際大学教授。主な著書に『あなたの脳のしつけ方』など。

デジタル教育、
デジタルデバイスを与える方法、
与えるタイミングはいつ?

―まず最初に、石戸さんが「CANVAS」を始められた理由を
教えていただけますか。

石戸奈々子さん 石戸奈々子さん

石戸氏
きっかけは、社会が大きく変化するなかで、子どもたちに必要とされる力もこれから大きく変化すると考えたからです。インターネットで検索すれば誰もが簡単に、安価に知識が手に入るようになった今、頭のなかに情報を記憶しておくことの価値は相対的に下がってきています。そんななか、子どもたちがこれから生きていくに当たっては、創造力とコミュニケーション力が必要だと思って、そういうことを学ぶ場を作りたいと考えたんです。
中野氏
私たちは記憶に力点を置かれた学習をしてきました。そこではあまり創造的であることは評価されず、むしろ受験には邪魔だとして切り捨てられてきたんですね。ただこれから人間に求められる力は、クリエイティビティとか社会性に変わってくるのではないでしょうか。

―2020年の小学校のプログラミング授業必修化計画、2024年のCBT方式試験の導入計画、2025年のIT人材100万人育成計画など、社会が大きく変化していくタイミングです。それに合わせて教育の仕方や位置付けも変わってきているように思います。

中野信子さん 中野信子さん

中野氏
特に日本は新奇探索性の高い人が相対的に少ない国なので、新しい試みをしようとするとかなり反発があると予想されます。石戸さんもデジタル教科書という取り組みをしていますが、そんなことをするべきでないという意見の方もいるのではないでしょうか。
私としては、デジタルにすべきではないという意見にはまったく根拠がないと思っています。デメリットが見えていないのに怖がっているように見えて、その不安を理由に子どもの可能性の芽を摘むことは避けるべきだと非常に強く感じているところです。
石戸氏
今や高校生の9割がスマートフォンを持っているとされています。それに、パソコンやITに関わらない仕事の方が少ないですよね。仕事も生活もかなりの部分がデジタル化されているのに、学校だけデジタル環境が整っていなくてよいのでしょうか。
デジタルを導入しないデメリットを考えなければいけないフェーズにありますよね。

石戸奈々子さん 石戸奈々子さん

中野氏
産業革命に匹敵するほどの産業構造の転換が今起きていて、それについていける人材をどれだけ輩出できるかという競争なのに、何を不安がっているのですかと。たとえばかつて、哲人ソクラテスですら本(書物)を作ることに反対していたという歴史があるので、分からなくもありませんが……彼が言っていたのは、話したものを伝えていくことをおろそかにすると、人間の記憶力が弱まるから本なんか作るべきではないということです。
石戸氏
新しいメディアと子どもの関係は、反対の声が挙がることが多くあります。でも、今の子どもたちはこれからの人生において、ネットワークにつながったデバイスがない世の中を生きていくことはもうできません。そうであれば、全て禁止をしておいてある日突然荒波に放り投げるのではなく、親や周りの大人が子どもと対話するなかで一緒により良い使い方を教えられる時期から適切に使っていくことが大事ではないでしょうか。

―デジタルデバイスのような新しいものを与えることは、子どもの脳にとってどんな意味があるのでしょうか。

中野氏
子どもの脳は、いったん過剰にネットワークの結合を作っておいて、そこから必要なものだけ残して“刈り込む”という発達の仕方なんですね。運動学習も、聴覚も創造性もそのようにできあがっていきます。聴覚は比較的早くに刈り込みが始まるので、絶対音感を身に付けようと思ったら早くトレーニングを始めないといけません。
ただ創造性はその“臨界期”が遅いので、それまでに新しいデバイスや新しい考え方について学べるかどうかで、その後の人生が決まると言っても過言ではありません。“不安”を理由に可能性を摘んでしまうのは、日本の未来の芽を摘むと言ってもいいと思います。

―子どもたちに対する今後のデジタル教育においてお二人が期待しているのはどんなことですか。

石戸氏
世の中では、AIだIoTだビッグデータだという議論が盛んですが、学校教育はまだその2段階くらい前の状態です。まずはネットワークや端末等の整備を早急に行い、子どもたちが21世紀にふさわしい学びを得られる環境を整備するとともに、最先端の学びの場づくりにも取り組みたいと考えます。
中野氏
私が危惧しているのは、あまりにもデジタルに対して抵抗する気持ちが強いために、科学者の側に「デジタルデバイスに触れるとこんな悪いことがあります」というデータを提出させられる“圧力”が存在していて、それに引っ張られてバイアスのかかったデータが出ちゃうことですね。それをちゃんと第三者的な目線から是正できる人がいてほしいなと。

中野信子さん 中野信子さん

プログラミング学習で子供たちと
世の中はどう変わっていく?

―2020年からの小学校でのプログラミング授業必修化が、学習指導要領の改定案に盛り込まれました。こうした授業で早くからプログラミングを学ぶことについて、お二人はどのようにお考えですか。

中野氏
例えば外国語を学んだ子どもとそうでない子どもの脳の違いはわりと研究されていて、バイリンガルにすべきだという考えの人と、やるべきでないという考えの人との間で、激しく論争しています。かつてはバイリンガルに育てると、30%ほど発達が遅れるというデータがあった一方で、バイリンガルに育てることで、複数の考え方のスイッチングが早くできるようになって知能そのものも上がる、ということを主張する人もいるんですね。
なので、プログラミング言語についても早く教えた方がいいという説が出てくると、片方の側からは教えない方がいいという主張が出てくることが容易に想像できます。しかし、少なくとも“臨界期”以前であれば、プログラミング言語における独特の認知構造をもつようにはなるでしょう、とは言えます。

石戸奈々子さん

石戸氏
プログラミング授業の必修化の議論にあたり、プログラマーを育成する授業を行うのか?といった誤解も広まりました。しかし、義務教育でのプログラミングの導入は、どのような職業に就くとしても必要となる基礎教養としての力の育成です。文部科学省も「プログラミング的思考」という言葉を使い、思考方法を育むことを強調しています。私たちも2002年からプログラミング教育に関わってきましたが、当時はプログラミングのワークショップは最も人気がなかった(笑)。ところがこの数年で急に変わってきています。コンピューターが他の領域と違うのは、コンピューターが、パソコンを超えて、あらゆるモノ、分野、環境に溶け込み、定着し、それらを制御するものとなっていること。
身の回りのありとあらゆるものが、コンピューターによって制御されており、そしてそれらのしくみはプログラミングによって生まれています。
だからこそその基礎メカニズムを習得することは、国語・算数と同様、どのような人にも必要な基礎能力であり、コンピューターに関する原理的な理解があるかないかによって、社会のありとあらゆる場面における対処能力が、大きく変わってくるという理解が自然と浸透していったという側面もあると思います。

石戸奈々子さん

―プログラミング授業は学校の授業のみで身に付けさせるというレベルで良いのでしょうか。

石戸氏
音楽の授業のみでピアノが弾けるようになるわけではないですよね。でも音楽の中でピアノに関心を持った子どもの中にはピアノ教室に通っている子どももいます。いまでもプログラミング教室に通っている子どもたちもいますが、プログラミングというものに触れたこともない子どももいます。義務教育に導入されれば全ての子どもたちに機会を提供することができます。そこから先にもしプログラミングをもっと学んでみたいと関心を持った子どもは、習い事に行ったり、もしくはインターネットや書籍などを通じて無料で継続して学ぶ選択肢も生まれます。保護者や教える側としては、子どもたちが関心をもった際にどのような学びの場を提供できるか、というところが大事かなと思います。
プログラミング言語もそうですけど、今学んだことが10年後に通用するかどうかも分かりません。今の常識が10年後の非常識かもしれない。それくらい変化の激しい時代をいまの子どもたちは生きています。そのような時代において、生涯に渡って学び続ける態度が身に付くことは、一番の学びだと思います。

―最後に、子どもにデジタル教育、プログラミング学習をさせるに当たって、親や教育する側として持っておくべき心構え、姿勢とは何だと思いますか。

中野信子さん

中野氏
コンピューターは学校とは違って、知識を好きなだけ与えてくれるし、自分よりできる人が世の中には数え切れないほどいるということにも気付かせてくれます。その可能性を親御さんも受け入れてほしい。画面の向こうには危険ももちろんありますけど、危ないことに遭遇した時に対処する力を身に付けさせてあげるのが正しいデジタルとの付き合い方ではないでしょうか。
石戸氏
まさに、子どもたちの中にはすでにコンピューターを使いこなし、世界中の知にアクセスし、世界中の人と協同し、世界中の人に自分の考えを発信し、そして自分のアイデアを形にしている子どもたちが生まれています。
その一方で保護者の方からの質問として、「AI時代にいまある仕事の多くはなくなると言われていますが、どんな仕事が残るんですか。その答えを教えてください」と言われることが多くあります。でもそれは誰にもわからないですし、正解も1つではないですよね。そういう答えがない時代であることを、親も子どももまず認識をし、答えを求めるのではなく、一緒に考えて一緒に対応していくことが、今、私にも親にも求められていると思います。
中野氏
「答えを教えてください」って、それこそが旧パラダイムなんですよね。「正解を見つける力」がこれまで求められてきたものなんですけど、これからはもう違います。「自分で選んだ答えを正解にする力」、これを子どもたちが身に付けられるよう私たちがいかに教えてあげられるか。もしかしたら、私たちが教えてもらう立場かもしれないですけどね。

中野信子さん

子供のデジタル教育と
プログラミング学習に向け、
今すぐアクションを

今回の対談を通して感じたのは、パソコンを使ったデジタル教育やプログラミング学習について、ほとんど一貫してポジティブに受け止めているということ。なぜ早くからデジタル教育を取り入れないのかという焦りと、このままでは変化を恐れるあまりに、ICT分野のみならずあらゆる産業において日本が衰退していくことになるという危機感が、お二人のリアルな感情として伝わってきました。
2020年、プログラミング授業の必修化という1つの節目はあれど、そこまで待っていられない、というのが本当のところかもしれません。すでに目の前に突きつけられている避けられない課題として、子供を教える立場にある我々大人が正しく把握し、すぐにでも具体的なアクションを起こす必要があるのではないでしょうか。

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  • DELL
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  • mouse computer
  • intel
  • WDLC

※上記の企業はWDLCに協賛しています。

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親を代表して、パソコンと「学び」の関係について、
気になる疑問をいろいろと聞いてみました!

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